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アルバイトの早期離職を防ぐ「入社1週目」の受け入れ方|飲食・小売の店長・本部向け

アルバイトの早期離職を防ぐ「入社1週目」の受け入れ方|飲食・小売の店長・本部向け
※写真はイメージです

せっかく採用したアルバイトが、数回出勤しただけで来なくなる。飲食・小売の店長なら、一度は経験があるはずです。

結論から言うと、早期離職の多くは入社1週目の受け入れ方で防げます。「仕事が合わなかった」と言われる離職の中身をよく聞くと、初日に放置された、誰に聞けばいいか分からなかった、求人票の話と違った、という受け入れ側の問題であることが少なくありません。

この記事では、早期離職が入社直後に起きやすい理由を整理したうえで、入社前日から1週目の終わりまでにやることを日ごとにまとめます。店長が忙しくても回るように、チェックリストと本部側の支援もあわせて示します。

この記事でわかること

  • 早期離職が入社直後に起きやすい理由(一次情報の数字とあわせて)
  • 入社前日〜1週目にやることの日ごとの整理
  • 店長が忙しくても回る仕組み(チェックリスト・本部の支援)
  • 求人票と実際の仕事のずれを減らす方法

※この記事の情報は2026年10月11日時点のものです。

目次
  1. 早期離職が入社直後に起きやすい理由
  2. 入社前日〜1週目にやること|日ごとの整理
  3. 店長が忙しくても回る仕組み
  4. 求人票と実際の仕事のずれを減らす
  5. まとめ

早期離職が入社直後に起きやすい理由

飲食店の6割近くが非正社員の不足を感じている

帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)」によると、非正社員が不足していると感じている企業は、全体では28.8%。一方、飲食店は57.7%と業種別で最も高く、改善傾向にあるとはいえ依然として6割近い水準です。

出典:帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)」。2026年8月17日公表。調査期間は2026年7月17日〜31日、有効回答は1万518社。

図1:非正社員が不足していると感じている企業の割合(2026年7月)

全体28.8%
飲食店57.7%

数字は本文の出典(帝国データバンク)と同じです。

厚生労働省の「雇用動向調査」でも、2025年の「宿泊業,飲食サービス業」のパートタイム労働者の入職率は29.7%と主要産業で最も高く、離職率も25.0%にのぼります。年間で見ると、パート・アルバイトの4人に1人が入れ替わっている計算になります。

出典:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」産業別の入職と離職(表4-2)

区分(宿泊業,飲食サービス業・2025年)入職率離職率
パートタイム労働者29.7%25.0%
一般労働者24.4%21.5%
参考:産業計(パートタイム労働者)21.7%19.9%

人が足りないから採用する、採用しても辞める、また採用する。この循環を断つには、採用した人が最初の数週間を乗り越えられるようにすることが、採用を増やすより先です。

辞める理由は「仕事」より「最初の体験」にある

入社直後に辞める人の多くは、仕事そのものが嫌になったわけではありません。次のような体験が重なると、「ここは自分の居場所ではない」と感じて離れていきます。

  • 初日に、とりあえず見ていてと言われ、何をすればいいか分からないまま時間が過ぎた
  • 教える人が日によって違い、言うことも違った
  • 分からないことを聞ける相手がいなかった
  • 求人票で見たシフトや仕事内容と、実際が違った
  • 1週間たっても自分ができたこと・できていないことが分からなかった

いずれも、店の仕組みで解決できることです。

入社前日〜1週目にやること|日ごとの整理

以下は、飲食・小売の店舗を想定した標準的な進め方です。業態や店の規模に合わせて調整してください。

入社前日まで

  • 初日の集合時間・持ち物・服装・入り口(従業員口)を、採用決定時と前日の2回連絡する
  • 初日のシフトを教える人と同じ時間帯に組む
  • 教える人(トレーナー)を1人決め、初日に教える内容を伝えておく
  • ロッカー、制服、名札、タイムカードなどを準備しておく

前日の連絡は、明日お待ちしていますの一言で十分です。初日の来店率と、その後の定着に効きます。

初日

  • 店長が最初の10分で迎え、店の一日の流れとスタッフを紹介する
  • 更衣・休憩・トイレ・緊急時の連絡先など、働く前に必要なことを先に案内する
  • 仕事は1つか2つに絞って教える。例えば、おしぼりとお水の提供や、商品の陳列位置です
  • 終業前に5分、「今日やったこと」と「明日やること」を伝える

初日にすべてを教える必要はありません。覚えることが多すぎると、できなかったことばかりが残ります。

2〜3日目

  • 初日に教えた仕事を一人でやってもらい、トレーナーが横で見る
  • 新しい仕事を1日1つ追加する(レジ、ドリンク、品出しなど)
  • 「分からないときは誰に聞くか」をもう一度確認する

4〜5日目

  • 忙しい時間帯を短時間でも経験してもらう(最初は補助の立場で)
  • できていることを具体的に言葉にして伝える。例えば、お水を出すタイミングが良い、といった一言です
  • シフトの希望と実際の組み方に食い違いがないかを聞く

1週目の終わり

  • 店長かトレーナーが10分の面談をする。聞くことは3つ:困っていること、仕事のイメージと実際のずれ、2週目にやりたいこと
  • 2週目の目標(覚える仕事)を一緒に決める
  • 求人票や面接で伝えた条件と違うことがあれば、この時点で正直に話し合う

1週目の終わりの面談は、辞めたくなってから聞くのではなく、辞めたくなる前に聞くための場です。10分で十分です。

図2:入社前日〜1週目にやることの流れ

  1. 入社前日まで集合時間・持ち物・服装・入り口を2回連絡トレーナーを1人決め、初日のシフトを合わせる
  2. 初日店長が最初の10分で迎え、働く前の案内をする仕事は1つか2つに絞って教える
  3. 2〜3日目一人でやる時間を作り、トレーナーが横で見る新しい仕事を1日1つ追加する
  4. 4〜5日目忙しい時間帯を補助の立場で経験するできていることを言葉にして伝える
  5. 1週目の終わり10分の面談で困りごと・ずれ・2週目の目標を聞く条件と違うことがあれば正直に話し合う

店長が忙しくても回る仕組み

受け入れを店長の記憶と気合いに頼ると、忙しい日に抜けます。仕組みにしておくと、誰が店長でも同じ受け入れができます。

受け入れチェックリストを1枚にする

前日、初日、2〜3日目、4〜5日目、1週目の終わりの項目を、A4一枚のチェックリストにします。トレーナーがチェックを入れ、店長は1週目の終わりに確認するだけにします。

  • 前日
    • 連絡した
    • シフトをトレーナーと合わせた
    • 備品を準備した
  • 初日
    • 店長が迎えた
    • 働く前の案内をした
    • 教えた仕事を記録した
    • 終業前に明日の予定を伝えた
  • 2〜3日目
    • 一人でやる時間を作った
    • 追加した仕事を記録した
    • 聞く相手を確認した
  • 4〜5日目
    • 忙しい時間帯を経験した
    • できたことを伝えた
    • シフトの希望を確認した
  • 1週目の終わり
    • 面談をした
    • 2週目の目標を決めた

トレーナーを決め、トレーナーにも時間を渡す

全員で教えるというやり方は、誰も教えない状態になりがちです。トレーナーを1人決め、その人のシフトに新人を合わせます。トレーナーが教えている時間は、通常の持ち場を少し軽くする配慮も必要です。教える側が余裕を失うと、新人は聞けなくなります。

本部ができる支援

多店舗展開の会社では、受け入れの質が店長の経験や性格で大きく変わりがちです。本部ができることは次のとおりです。

  • チェックリストと「初日に教えること」の標準を用意し、全店で共通にする
  • 新人の初日・1週目の面談の実施状況を、本部が店舗別に確認する
  • 1週目で辞めた人がいた店には、理由を聞き、仕組みのどこが抜けたかを一緒に見直す
  • 応募者への連絡や面接日程の調整など、受け入れ前の実務を本部や外部で分担し、店長が初日の受け入れに時間を使えるようにする

採用の実務を分担する考え方は、飲食店の倒産が過去最多ペース|人手不足は「採用」と「定着」の両面で考えるでも整理しています。

求人票と実際の仕事のずれを減らす

早期離職の原因として見落とされがちなのが、入社前に作られた期待と実際の差です。求人票や面接で伝えたことと現場が違えば、どれだけ丁寧に受け入れても話が違うと感じて終わります。

忙しい時間帯・土日の扱い・立ち仕事の実態を先に書く

未経験歓迎やシフト自由のような言葉だけでなく、ピークの時間帯の忙しさ、土日の出勤の扱い、立ちっぱなしの時間など、あとで辞める理由になりやすいことほど求人票に書きます。応募は少し減るかもしれませんが、入社後に「話が違う」と辞める人は減ります。

時給は「研修時給」と「研修後」を分けて書く

研修期間の時給が違う場合は、期間と金額を明記します。2026年度は最低賃金が全国加重平均1,177円へ引き上げられ、都道府県ごとに順次発効しています。研修時給を含めて最低賃金を下回らないことも、あわせて確認してください。詳しくは最低賃金1,177円時代の求人票の見直し方をご覧ください。

面接で「初日と1週目の流れ」を説明する

面接の最後に、初日に何をするか、1週目でどこまで覚えるかを説明します。入社後のイメージが具体的になると、応募者側の不安が減り、辞退も減ります。求人票、面接、初日の説明が一本につながっていることが、ずれを無くす一番の方法です。

まとめ

  • 飲食店の57.7%が非正社員の不足を感じ(帝国データバンク、2026年7月調査)、宿泊業・飲食サービス業のパートタイム労働者は年間で4人に1人が離職している(厚生労働省、2025年)。辞めた分を採用で埋め続けるより、最初の数週間を乗り越えられる受け入れが先
  • 早期離職の原因は仕事そのものより、初日の放置・教える人の不在・求人票とのずれといった最初の体験にある
  • 入社前日〜1週目は、前日の連絡、初日の10分の出迎え、1日1つずつ教える、1週目の終わりの10分面談をチェックリストで仕組みにする
  • 本部は標準のチェックリストを用意し、実施状況を確認し、受け入れ前の実務を分担して店長の時間をつくる

受け入れの仕組みづくりと並行して、応募者対応・面接調整・求人票の見直しを店長から切り離したい場合は、飲食・小売に特化したHreee Foodsや、採用の実務を目的に合わせて分担する採用代行(RPO)もご覧ください。まずは、いまの受け入れの流れと、最近辞めた人の理由からご相談いただければと思います。

※この記事の情報は2026年10月11日時点のものです。統計の最新値は帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査」および厚生労働省「雇用動向調査」をご確認ください。

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